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山口 徹治; 澤口 拓磨; 塚田 学; 星野 清一*; 田中 忠夫
Clay Minerals, 51(2), p.279 - 287, 2016/02
被引用回数:7 パーセンタイル:24.23(Chemistry, Physical)セメント硬化体を炭酸ナトリウム溶液に接触させて変質させる試験と、セメント硬化体とベントナイトを接触させて変質させる試験とを行った。変質に伴う物質移行特性の変化は、トリチウム水を透過拡散させて拡散係数の変化を検出することによって調べた。炭酸系の試験では、界面近傍における鉱物の変化に伴い、180日間に拡散係数が変質前の70%に低下した。セメントとベントナイトを接触させたケイ酸系の試験では、界面近傍における鉱物の変化に伴い、600日間に拡散係数が変質前の71%に低下した。粉砕したセメント硬化体とベントナイトを混合して変質させた既往の研究では、拡散係数が180日間に変質前の20%にまで低下したのに比較すると、本研究では反応面積が小さいので拡散係数の変化も小さくなった。炭酸系の実験では硬化体表面から0.55mmの範囲で拡散係数の変化が起こり、ケイ酸系の実験では界面から0.5mmの範囲で拡散係数の変化が起こったと評価された。この結果を、単純なモデルを用いて15年間に外挿したところ、フランスTournemire地下実験施設で観察された15年間にわたるセメント-粘土岩相互作用の特徴をよく再現した。このような知見は、実験データに信頼性を与えるとともに、実験に基づくデータやモデルを長期評価に用いる際の根拠の1つとなりうる。
中山 雅; 岡本 礼子*; 白瀬 光泰*
no journal, ,
地下構造物の支保工として一般的に用いられるセメント系材料は、高レベル放射性廃棄物処分場においては、高アルカリ成分が地下水に溶出することで緩衝材や周辺岩盤を変質させる可能性がある。このような影響を低減するため、原子力機構では低アルカリ性セメント(HFSC)を開発し、幌延深地層研究センターの地下施設(幌延URL)の建設時にHFSCを用いた吹付けコンクリートおよび覆工コンクリートの原位置施工試験を実施し、施工性を確認した。本報告では、施工後のコンクリートが周辺岩盤および地下水に与える影響について、施工後のHFSCコンクリートを対象に実施した分析結果について述べる。